英国人から解放される北フランス

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気がつけばまたまた1か月があっという間に過ぎていました…。そろそろ英国のEU離脱が決着つくかな、と思いきや、まだ何も決まっていないという…すごい事態ですね。私の予想通りになってしまっているではないですか!!

いまだまるで離脱しない選択肢があるような報道が目につきますが、実質もう離脱しないという選択肢はないと思います。もう時間がないでしょ、どう転んでも。なので、私の予想は、土壇場の合意案承認での離脱、もしくは合意なき離脱の2つのどちらかじゃないかと思ってます。

今、合意なき離脱になった場合に直ちに家庭に影響のあるシナリオがあちこち出てますが、野菜が…果物が…食べられなくなってしまいそうですね。レタスやトマト、きゅうりといった生鮮野菜は夏以外は英国ではまったく生産されておらずほぼEUからの輸入なので、下手すると見ることすらできなくなりそうです。ま、レタスなんて食べなくてもね…。もしや税関で腐りかけの生鮮野菜を略奪する人が現れたりして…。いや、でも、マジで簡単に略奪・暴動を起こしそうな人々が住んでいる国だからなあ~。

ちなみにオランダでも80年代くらいまでは、冬の間まったく生鮮野菜が売られていなかったそうです。冬の間、何を食べたかというと、缶詰・瓶詰の野菜なのだとか、、、。個人的にはあんまり好きじゃないけど、、、まー、ゴー・バック・トゥ・80Sだと思えば、、、(汗)。

肉や加工肉もEUから輸入されている%が高いそうで、食料品の大幅上昇も避けられそうにありません。こういう風に考えてみると、英国もEUに加盟してようやく美味しいブリティッシュミールやインターナショナル料理が提供されるようになったのに、また元に戻っていくということなんですね。

さて。こうやって門戸を閉じることによって、モノが流通せず昔の状況に戻っていくわけなんですが、それは…ヒトにおいても同様です。

EU国民でなくなるということは、国内扱いが国外扱いになるということ(合意なき離脱の場合)。

こういう風に言うと、必ず「英国はもともとシェンゲン条約に加盟しておらず、パスポートコントロールがあるんだからEU離脱しようがしまいがまったく影響はない」という人がいます。しかし、これは大きな勘違いってヤツです。たぶん、多くの日本人はここの部分を理解していない。まぁ、日本人はEU待遇を受けてないからしょうがないんですけど。

実はEU国内の入国管理局のカテゴリーは、「EU PASSPORT」「ALL PASSPORT」の二つに分かれており、EUのパスポートを持つ人は国内と同じ扱いを受けることができるのです。だから、彼らは入国の際、「入国目的」「滞在日数」「ステイ先の報告」と言った情報を提供する必要はありません。今、スキポールなどは、EU パスポート保持者は自動チェックカウンターを通ることができるので、瞬時に通り抜けることができます。一方、日本人を始めとした第三国の人々は、長々とカウンターに並び、質問に答えなければいけません。

30分や1時間待つのなんて大したことない…たまにしか空港に行かない人であればそう思うことでしょう。しかし、月に5回も6回も出張するビジネスマンだったらどうでしょう。1回に待つのが30分だったとしても、月に3時間以上のタイムロスになります。英国内はさらにすごいことになるでしょう。ヒースローの入国なんてあれだけ厳重なので、何万人ものEUパスポート保持者がALL PASSPORTに並ばなければならないとしたら、いったいどれだけの時間がかかることになるんでしょう。彼らは日本人と同じレーンに並ぶので、日本人だって今後は影響を受けることになります。

現在、イギリス・オランダ両間で日帰り出張する人は大変多いですが、1回の出張につき、貴重な1時間、2時間が失われるとあっては忙しいビジネスマンは出張を躊躇して当然です。そもそも1回毎に「入国目的」を申告するなど、ばかばかしいと思う人が多数発生するに違いないのです。もうここ20年くらい経験してないんですから。

ちなみに、合意なき離脱のシナリオで、英国人が多数利用する空港はどうなるか?という興味深い記事も見ましたが、ポルトガル南部やスペイン南部、カナリア諸島などは英国民旅行者が全体の50%近くを占めるそうで、彼らが全員ALL PASSPORTに並んだとしたら、最大入国に5時間くらいかかる換算だそうですー…(-_-;)。シェンゲン内なので、オランダからだと日本人もコントロールチェックなしかな?そうだとよいですが、イギリスから出かける日本人はもちろんとばっちりを受けることになります。こうなってくると…怒号が響き、働いている南国のスペイン人、めっちゃ怒りそうやな…((^_^;)。

スキポール空港も英国人利用者が多いようで、全体の15%だそうです。彼らが皆、ALL PASSPORTに並んだら、今より待ち時間が長くなるのは必至です。

こうやって、モノが少し留まり、ヒトが少し留まり…ひとつひとつは大したことにはならなくても、大きな流れで見れば、確実に全てのものが滞っていくのです。滞れば、出張回数を減らす、出荷回数を減らす…と少しずつ行き来が減少してきます。行き来が減少すれば、フェリー会社やトラック運送会社が値上げをする、もしくは倒産し、ますます行き来が減少します。こうやってどんどん先細り、まさに英国が望んだとおり、名実ともに「EU離脱」が完了していきます。

こう考えると、「EU離脱」とはすなわち「EUからの引き揚げ」を意味するのかなあ…そんな風に感じます。

EUからの引き揚げ…といえば、先日、夏の旅行を考えよう…といろいろ調べていたのですが、ものすごいことに気がついてしまいました。それは、北フランスの観光地のホテルが軒並みスカスカなのです。夏の北フランスといえば、多くの街にイギリスからのフェリーがわんさか到着し、まさに英国人に占拠される、と言ってもいい場所です。英語のガイドブックを見ると、6か月前には予約しないと取れないホテルがわんさかあります。

その昔、モンサンミッシェルに行ったとき、郊外のキャンプ場を訪れたらほぼ全員が英語を話してました、、、みたいな。近くのサンマロもそれはそれはすざましく、フェリー乗り場に連なる英国人の数にそれは驚いたものです。

でも、そりゃそうよね。この地はその名もブリタニー(フランス名ブルターニュ)。祖先は同じブリタニー人が住んでいるんだから、文化も民族も近く、そのうえ気候もよく、自然も美しく、食べ物もおいしく、イギリスより安く旅行できる、とあらば、誰だって目指せフランス!となるわけです。

英国人に占拠されるホテルや町を眺めて、呑気に思ったものです。「昔は戦争して領土を争わなければいけなかったけど、今は静かに占拠していても、誰も文句を言わないんだなあ。これは現在のEUならではの現象で平和なんだなあ」と。

今年はブレクジットのことがあり、人々はやはり躊躇しているのようです。フェリーに車を積んでいってフランスに到着しても、フランス国内で運転ができるのか?ペットを連れて行くことはもうできないのか?(自動車・健康)保険は今までどおり通用するのか?!…etc.

実際、フランスの海岸沿いのホテルはスカスカですが、英国の南西部はものすごい混雑していると報道がありました。最も南下できる場所がジャージー島なので、そこも混んでいるかもしれませんね。

こういう状況が続いて…フェリー会社は果たして耐えしのぐことができるのか。もし倒産してしまったら、今後はもう車で訪れることもできないし、そうなればまさに名実ともに撤退です。

こうやっていろいろ考えていくと、EUのシングルマーケットというのは近隣という地の利を生かした中でヒトやモノやサービスが自由に行き来して、その恩恵を皆が受けていたわけで、今後、イギリスが世界に目を向けて似たようなことを日本やカナダといった第三国とやろうったって、限りがある、ってことです。日本からレタスを船で運ぶことはできないし、日帰り出張はできないし、フェリーに乗って気軽に週末旅行ができるわけではないのです。

そういうことを全部ひっくるめて、、、英国は30%を得るためにもともとあった70%を放棄してしまったかのごとくだなあ、と思ったりします。…今、外から冷静に観察してみていると、この時に及んでもまだ、自分たちが最優先と考え、内輪揉めでグズグズしている。外部から見ると、何を揉めているのか、何が納得できないのか、さっぱりわからないんですが。こういうのを島国の習性っていうんだなあ。きっと。

日本人も、同じ日本人同士なのに勝手に自分たちをさまざまな所属やランクに分類して争ったりする人がいますが、そういうのもきっと島国根性ならではのことかもしれません。もしかしたら、私もそんな些細なことにこだわってバカバカしい小さいことでウジウジしていることもあるかもしれない。そういうところは、改めなければ、、、。

「英国事情を見て、我が振り直せ」

いろいろ勉強になります。。。って今のところ、自分は当事者にならないと思っているので、こんな呑気なセリフを言っていられるのかもしれませんが。世界のあちこちでガタガタしている昨今ですが、「いろんな出来事が落ち着く方向へ向かっている」そんな確信が持てる日々が早く来てほしいです。
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